昨日の叡王戦をご観戦頂いた皆さま、ありがとうございました。
こちらは、朝からずっと控室にこもりっきりで、最後まで
検討していました。
何しろ、別館の造りが、結構入り組んでいて、
むやみに部屋の外に出ようものなら、迷子必至。
連盟職員の人からの、ずっとこの部屋のこのイスに
いて下さい、との指示も頷ける。
対局室は、凄く広くて、畳もきれい。
対局開始、センターの立会人席に座っていた時、
このような素晴らしいところで、将棋が指せる対局者は
幸せだなーと思いつつ、対局者を待つ。
谷川会長も来ていた事だし、もし叶うのなら、
あの場所で、谷川ー高橋戦を戦いたかったよ。
午前中は角川会長も来ておられて、控室にて、
お昼前まで、ずっとご一緒に検討をさせて頂いてた。
角川会長さん、本当に将棋がお好きなご様子で、
将棋界についても、本当にお詳しい。
私自身も、職団戦にて、監督としてカドカワチームを
率いている身。
今回、ご挨拶の機会が得られてよかった。
カドカワチーム、もし優勝出来たら、きっと会長から
お褒めの言葉を頂けるはずです。
チームのメンバーにも、はっぱをかけておかねば。
昨日の将棋では、私なりの一番の注目ポイントはここ。
なにゆえ、△4三金右でなくて、△7四歩なのか?
今回観戦記役として来ていた、両対局者に年令が近い、
阿部光瑠六段に聞いてみた。
若手の指し手は若手に聞くのが一番。
すると、ここで△4三金右は、▲5五歩△同歩▲6六銀と
動かれて、先手に主導権を取られてしまいます、との回答。
そうなのかー。
ここは金を上げて、矢倉囲いを完成する方が、
自然だけどねー。
△4三金右の形は、かえってあたりが強くなるとの
感覚らしい。
なので、低く構えたまま、攻め合いの△7四歩(~△
7三桂)を選択したわけか。
このあたりは、序盤の研究の核心に触れるところでも
あるので、対局者には、ちょいと聞き難い。
故に、感想戦では、このあたりはスルーした。
でもね、個人的には、このあたりこそ、一番興味の
あるところでもあるんだ。
また先手の作戦にしても、局後、佐藤名人は、
何となく(この指し方を選んだ)、と語っていたけど、
実際には、周到な準備があったと見たね。
パッと見、矢倉戦のようだけど、実際、特に後手は
金銀のスクラムで押す、従来の矢倉の戦い方では
なくて、金銀は下に置いたまま、歩を取らせて軽く捌きに
出る横歩取り風の感じだった。
矢倉の将棋であって、矢倉の将棋でない、みたいな。
これが、新感覚の将棋なのか。
勉強になります。
今日はこれから、小学校の指導に行った後、
一旦家に戻って、教室に。
せっかくなので、昨日の一局を解説しよう。
終了後は、忘年会の予定。
今日も帰りが遅くなりそう。