昨日の会社指導では、新しくお一人が来て頂き、
少しずつ賑やかになりそうな気配。
その方が何と、以前から続けておられた方と
同僚で、同じフロアのしかも机もすぐ近くとか。
今まで、互いに将棋を好きなのを知らずに、
一緒にお仕事をされていた模様。
笑い話のような本当のお話。
皆さんのまわりでも、案外、そうした事があるかも?
仕事仲間でも何気ない会話の中に、さり気なく、
「棒銀」とか「矢倉」とかの言葉を挟んでみたら
如何でしょう。
食いついて来たら、もう一瞬で将棋友達に!
指導に行く前にやったVS塚田九段との1局目が
第1図。
こちらは飛車を手にしているし、優勢を意識。
ここで一気の勝ちを目指して、軽快に▲4五桂と
跳ね出したのが、一見、いい手に見えて、
痛恨のド悪手だった。
▲4五桂は△4四角なら、▲6五桂△同桂▲4四角
△同歩▲5三桂成△同金▲5一飛で、一気に
仕留めてやろうみたいな気分もあったわけだけど、
こうした「早く勝とう早く勝ちたい」のような指し方を
無意識に選ぶようだと、結構失敗するケースも多い。
そうした事って、大昔から分かり切ってるのに、
ちょくちょくやっちゃったりするのが、人間の性(さが)。
実戦は▲4五桂に、△8八成香▲3三桂成△同桂
▲8八銀と、先手一時的に大きな駒得になるも、
△5四香▲4六飛△4五桂打と返されてみると、
にわかに怪しげなムード。
以下散る。
第1図では、はやる気持ちをグッとこらえて、
じっと▲3五歩と突くのが本手。
こうして飛車の行動範囲を広げておけば、
投了級の局面といってもいいくらいだった
んじゃないかな。
そもそもが後手の凝り固まってる左辺の
角金銀桂に働きかけるのは、筋が悪い。
それらは壁形と見て、▲3五歩の後は、▲7五歩と
反対側を攻めるのが本筋ってもんで。
昨日の教訓から、じっくり進めて行こうと心に
決めて臨んだ今日の中川八段とのVS。
第2図は本日の2局目。
空中戦にはならない、大昔からのもっとも基本の
横歩取りから、図に至る。
大上段に構えた何て圧倒的な押さえ込み。
駒って、歩の上に出ると、見かけほどの力が
ない時があるけれど、こうして歩の下から
支えるように進めて行くと、物凄い圧力となる。
ここで、サッと▲1六角。
何てビューティフォーな角出。
実戦は以下、△5一玉▲4三歩成△同歩▲4四歩
△同歩▲同銀までで、中川君、たまらず投了。
後手はせっかく作った竜が、泣いている。
ここまで、40分の持ち時間で、私の方の消費時間は
10分くらい。
迷うところが、全然なかった。
慌てず騒がず、じっかりと本筋の指し方が出来ると、
たまにこうした将棋も指せたりする。
失敗して、反省して、修正して、また失敗して・・・。
棋士は、一生ずっと、そんな事の繰り返しです。